犬の服、売りたいのか売りたくないのか

説明

意図のはっきりしない記事を批判します。

本文

「犬に服は必要ない」と公言する人が、犬の服で小金を稼ごうとする姿は、見ていて気持の良いものではない。

犬は自前の毛皮着てるから、わざわざ服を着させる必要なんてないとは、ファイナンシャルプランナー・dubrock氏の持論である。「お犬様」なる記事に書かれている。また、同じ記事では、犬用のシャツが「オイラのシャツより高い」と紹介されている。

実は、この紹介の仕方が曲者なのである。シャツが売れると5%の報酬がdubrock氏に入るのだ。シャツ名のリンク先URLは「http://ck.jp.ap.valuecommerce.com/」で始まる。バリューコマースという広告代理店のサービスを利用しているからだ。登録して調べれば、販売金額の5%が報酬であることも分かる。

分からないのは、dubrock氏が犬の服を売りたいのか売りたくないのか、という肝心のところだ。記事を読んでめまいのような不快感を覚えたのは、そのせいだろう。売りたければ否定的なコメントで紹介すべきではないし、売りたくなければ広告を載せなければ良いのである。

ちなみに、もし私が「犬に服を着せるな」と言われたら、「他人の趣味に口を出すな」と答えるだろう。それでもブツブツ言ってきたら、縁を切る。限りのある人生、話の合う人となるべく過ごしたい。

追記(2005年6月13日)

この文書に対する批判コメントがdubrock氏のサイトに掲載されている(5月31日付「宣伝乙ー。」)。記事のタイトルから想像できるように幼稚なものばかりだが、容赦なしに反論する。

「せめて一般論に置き換えてやんわりと批判するべき」SHUMAI氏)
断る。根拠も示さず何が「べき」だ。自身も「クソ朝日はストレスの素」などと新聞社説を直截に批判しているではないか。
「自分と考えが違う人と縁を切るというのも過激ですが、それならイチイチ名指し批判なんかしなくてもいい」(SHUMAI氏)
私が縁を切ると言った相手は「考えが違う人」ではない。dubrock氏のことでもない。「他人の趣味に口を出す人」だ。
dubrock氏を名指しで批判したのは、批判相手が分からないというもどかしさを読者に味わわせたくなかったからである。
「ホームページの内容からうかがう限り、この方もそれ(共産党支持の人)と同じぐらい犬の服が思想の根幹をなすんでしょう」(SHUMAI氏)
「思想の根幹」とは低俗なレトリックだが「犬に服を着せるのが生きがい」とでも言いたいのだろう。しかし、このサイトの何を読めばそう思えるのか。根拠がない。
「この記事に”それでも犬に服なんかいらねぇ~っ!!”って反論するほど、ワタシはこの問題にこだわってない」(dubrock氏)
こだわっていないことは「持論」とは言わない。そもそも私は「犬には服が必要である」とは主張していない。
「ソレでも反論したら、今度は”縁を切られて”しまうのでしょうか」(dubrock氏)
もともと無い縁を切ることはできない。仮にdubrock氏が私の知人で「犬に服を着せるのはやめたら」としつこく言ってきたら縁を切る。「ジャイアンツ好きなの?やめたら」とか「ユニクロなんてカッコ悪いよ」とか言われた場合も同じだ。他人の趣味に口を出す人などロクな奴ではないからだ。
「名指し批判をするというコトは、少しは相手にしてほしい心理もあるのでしょうか」(dubrock氏)
ない。相手にされても何のメリットもないからだ。名指しの理由は前述の通りである。
『「犬の服を売りたいのか売りたくないのか」で力まれていますので、「そんなんどっちでもいいべやー」』(dubrock氏)
私はどっちでもいいとは思わない。広告商品を否定的に紹介するのはビジネスマインドが欠けている証拠である。販売機会が減るだろうし、広告主に嫌われかねないからだ。そんな想像力もないファイナンシャルプランナーに、少なくとも私は仕事を頼もうとは思わない。

なお、dubrock氏は「記事を書きながら犬が服着てる画像を探し、貼ったまではイイけどなんだかココから犬の服でも買われたらシャクだなーと思い、後からアフィリエイトリンクに変えた」のだそうだ(アフィリエイトについてはIT用語辞典「アフィリエイトとは」を参照)。買われるのがシャクなら、店にリンクしなければ良い。単純な話だ。

この文書の情報

この文書はウェブサイト「ちんたらした暮らし」の一部です。

公開日
2005年5月15日
最終更新日
2005年6月13日
作成者
岩本隆史
URL
http://purl.org/net/slowlife/20050515/