作り話です。
うちの犬はしゃべる。親馬鹿ではない。「ごはん」「おはよう」等の簡単な言葉ではないのだ。
「がんばんなきゃな」と言う。
姿見の前が多い。鏡の自分を見ては目をそむけ、頭を左右に振りながら言う。
なかば溜息だが、はっきり聞こえる。私の声そっくりだ。
何を頑張るかは知らない。頑張っている様子もない。
この文書はウェブサイト「ちんたらした暮らし」の一部です。